技術情報・技術コラム

パイプ同士の溶接における、バット溶接機の優位性は?

パイプ接合の継ぎ手の種類

パイプ同士の接合は、継手の種類によっていくつかに分類されます。代表的なものに以下の4つがあります。

①突合せ接合

突合せは、パイプ同士をストレートに接合する際の、最も一般的な方法です。パイプを突合せ、端面同士を当てて溶接を行います。

②重ね接合

重ね接合は、パイプ同士をストレートに接合する際の一つの方法です。片方のパイプの端面を拡げ、もう一方のパイプを差し込んで溶接します。突合せ接合と比較し、接合強度が求められる場合に使用されます。

③T字接合

T字接合は、パイプ同士を直角に交わる形で接合する手法であり、T字形状のワークを製造する場合に使用します。溶接前に、直交するパイプにエグリ加工やフレア加工を施すこともあります。

④コーナー接合

パイプ同士を直角に接合する場合等、コーナー接合については、2つのパイプを斜めに切断した後、溶接を行います。

パイプ同士を接合する際の溶接工法

パイプ同士を接合する際の溶接工法として、最も多く用いられているのはアーク溶接です。ただし、用途や求める仕様によっては抵抗溶接が用いられる場合があります。

①アーク溶接

アーク溶接は、電気アークを使用してパイプ同士を溶接する方法です。パイプ同士の溶接については、特に、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接が用いられます。上記の3つの溶接工法について、パイプ接合では、以下の場合にそれぞれの溶接工法が用いられます。(ただし、溶接工法の選定には多くの要素がありますので、一例となります)

TIG溶接

1.外観品質が求められる場合
2.アルミなどの非鉄金属の場合
3.パイプの板厚が薄い場合

MIG溶接

1.大量生産の場合(自動化しやすい)
2.溶接強度が求められる場合

CO2/MAG溶接

1.板厚が厚い場合
2.溶接強度と耐久性が求められる場合

関連コラム:アーク溶接とバット溶接!どちらが有利?

②抵抗溶接

抵抗溶接とは、溶接したい金属材料に電極を介して大電流を流し、パイプ同士の間に発生する抵抗発熱を利用して加熱を行い、圧力を加えて接合する溶接方法です。
パイプ接合では主に、プロジェクション溶接とバット溶接が用いられています。
プロジェクション溶接とバット溶接をパイプ同士の接合に用いることで、アーク溶接と比較し、以下のメリットを得ることができます。

1.溶接の品質の安定性

どちらの溶接工法も、接合自体を手動ではなく自動で行う(ワークセットは人手である場合も多い)ため、作業者のスキルに依存せず、溶接品質が安定します。

2.大量生産に適す

パイプの接合時間が短いため、大量生産に向きます。
プロジェクション溶接とバット溶接は原理・構造は同じ溶接工法になりますが、T字・コーナー溶接など端面加工が必要な接合にはプロジェクション溶接を、突合せ溶接など端面加工が不要な接合にはバット溶接を用います。

抵抗溶接やプロジェクション溶接、バット溶接については以下のコラムでも詳しく説明していますので、ご確認ください。

関連コラム:抵抗溶接とは?抵抗溶接の種類とバット溶接

バット溶接機で行うパイプ同士の溶接 具体的なアプリケーション

これまでご説明した通り、パイプ同士の接合にはいくつかの種類があり、パイプ突合せ溶接、パイプT字溶接、パイプリング溶接にバット溶接を用いることが可能です。バット溶接機を用いるメリットを具体的に以下紹介します。

パイプ突き合わせ溶接

バット溶接を用いてパイプ突き合わせの溶接が可能です。

パイプ突き合わせ溶接はパイプの端面同士を押し当てて溶接をするため、パイプ同士をずれなく突き合わせる必要があります。
パイプ突き合わせ溶接はアーク溶接(CO2)溶接で突き合わせ面の円周を溶接で接合することが一般的ですが、溶け落ちなどの不具合が発生するリスクがあるため、溶接技術が必要な加工となります。

詳細はこちら!

パイプT字突合せ溶接

パイプT字突き合わせ

アプセットバット溶接を用いて、パイプT字突き合わせ溶接が可能です。

パイプT字突き合わせ溶接は、パイプ同士をT字に突き合わせて溶接する工法で、車体のフレームなど軽量かつ強度が求められる部材の製造に用いられます。パイプを垂直に突き合わせて溶接しますので、角度のずれが生じてしまうと製品品質の低下や、溶接不良となってしまいます。そのため溶接を行う部材同士の固定や、精度よく突き合わせることが非常に重要となります。

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パイプリング突合せ溶接

アプセットバット溶接を用いて、パイプリングの突き合わせ溶接が可能です。

パイプリングは中空のパイプをリング形状に溶接する工法のため、パイプ同士をずれなく突き合わせる必要があります。
また、リング形状であるためパイプの円周を精度よく溶接することが難しく、アーク溶接(CO2)など一般的な溶接工法では高品質な溶接が難しい溶接となります。

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当ページでは、パイプ接合の種類やパイプ溶接におけるバット溶接の優位性を説明させて頂きました。

バット溶接機 ソリューションナビを運営する東京新電機は、豊富な製品ラインナップ、特注溶接機開発ノウハウ、溶接工程の自動化等の強みを活かし、バット溶接機メーカーとして選ばれています。
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