技術情報・技術コラム
バット溶接とは?特徴やバット溶接機の種類も解説
バット溶接とは
バット溶接は抵抗溶接の一種です。溶接する金属材料をそれぞれ電極で挟み、材料の端面同士を隙間がないように突き合わせてセットします。そこに接触方向への圧力を加えながら、電極に低電圧・大電流を流すことで、端面間に電気抵抗による発熱が生じます。この熱を利用してお互いを接着させる溶接方法をバット(アプセットバット)溶接といいます。
バット溶接は、金属材料同士の間に発生する熱を利用して溶接しますが、圧接と同じ固相接合に分類されます。アーク溶接等の溶融接合とは異なり、材料を完全に溶融させることなく、加圧力によって塑性変形させ、接触部の材料原子が接合面を跨いで拡散し、金属結合して一体化することにより接合を完了させます。
フラッシュバット溶接は、アプセットバット溶接では不安定な、幅が広い材料や断面積の大きい材料の溶接に使用します。アプセットバット溶接を行う前工程として、溶接材料に通電しながら徐々に材料を近づけてスパークを発生させ、材料端面の不純物の除去と、端面全体に均一な予熱を加えるフラッシュ工程があります。このフラッシュ工程を行う溶接をフラッシュバット溶接と呼び、幅広や大断面積の材料でも安定したバット溶接が可能となります。
バット溶接の流れ
バット溶接の流れを、バット溶接機ソリューションナビを運営する東京新電機製溶接機をもとに説明します。
① 溶接条件を設定します。
溶接材料に合わせた溶接条件を設定します。機種によって異なりますが、ダイヤル,セレクトスイッチ又はタッチパネルで設定します。
② 電極をスタートポジションに移動させます。
溶接材料をクランプする電極をスタートポジションに移動させます。セレクトスイッチ又はボタンを押して移動させます。
(一部アプセットバット溶接機には操作不要なものもあります。)
③ 溶接材料を溶接機にセットします。
溶接材料同士を突き合せた状態で、電極にクランプします。手動クランプレバー,フットスイッチ,押しボタン等があります。
④ 溶接起動します。
通電しながら、片側の電極がもう片側の電極方向へ、圧力をかけて移動し溶接します。起動は、手動レバー,セレクトスイッチ,押しボタン等があります。溶接は1秒程度で完了します。
⑤ 溶接材料を取り出します。
溶接が完了し、溶接材料が冷え固まったところで材料をアンクランプします。
⑥ 簡易焼鈍を行います。
溶接材料によっては、溶接によって硬度が上がってしまいます。溶接機で簡易焼鈍を行う場合には、電極をスタートポジションに戻し、材料をクランプしなおして焼鈍ボタンを押します。
(安定した焼鈍を行いたい場合には、正確な温度制御ができる自動焼鈍機を使用します。)
⑦ ②~⑥を繰り返します。
溶接条件を変更しない場合には、②~⑥を繰り返して溶接を行います。
バット溶接機の種類
東京新電機が保有するバット溶接機のラインナップをもとに、種類別に分類します。
アプセットバット溶接機
型式 | ワーク形状・断面積サイズ |
TH-10A | 平鋼・角材:3~7㎟ |
TH-13A | 平鋼・角材:7~10㎟ |
TH-20A | 平鋼・角材:10~13㎟ |
TH-25A | 平鋼・角材:13~20㎟ |
TW-3A | 丸棒・ワイヤー:0.5~7㎟ |
TW-5A | 丸棒・ワイヤー:7~20㎟ |
TW-50A | 丸棒・ワイヤー:7~80㎟ |
フラッシュバット溶接機
型式 | 断面積サイズ |
F-30 | 3~30㎟ |
F-50 | 20~80㎟ |
FA-50 | 30~80㎟ |
FA-50DGS | 13~80㎟ |
FA-100A | 30~180㎟ |
FA-100DG | 30~180㎟ |
FA-100DGS | 80~240㎟ |
バット溶接機の導入なら、当社にお任せください!
バット溶接機 ソリューションナビを運営する東京新電機は、豊富な製品ラインナップ、特注溶接機開発ノウハウ、溶接工程の自動化等の強みを活かし、バット溶接機メーカーとして選ばれています。
バット溶接機の導入を検討中の皆様、お気軽に当社にご相談ください。
お問い合わせはこちら!